現代歌人協会は、1956年に結成された歌人の職能団体です。2020年に法人化し、「一般社団法人 現代歌人協会」となりました。

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草假名は心ゆくなり
ほそがきの面相めんさうに書けばなほとおもしろ

北原白秋 『白南風』

「楽しみと」と題する連作5首の掉尾に置かれた作。連作には、「三月五日夜」の詞書がある。壮年期の北原白秋は、未だ春浅い夜に墨を磨って毛筆の書を楽しんでいるのである。「草假名」(ソウカナと読む)は、「万葉仮名を草書体に書きくずした字体」(広辞苑 第七版)。「面相」は「面相筆」のことで、「眉毛・鼻の輪郭など面部の細かい部分を描くのに用いる、穂先の極めて細く長い画筆」(同)。言葉の芸術家である白秋が、一人孤独に大昔のスタイルの書を楽しんでいる。まことに絵になる光景だが、さすがに草假名には手本があるのだろう。小野道風筆と伝えられる「秋萩帖」などは歌集でもあるので、このときの白秋にぴったりと思われるが、さてどうだろうか。事情通の方、ご存知であればご教示いただきたい。

坂井修一

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