現代歌人協会は、1956年に結成された歌人の職能団体です。2020年に法人化し、「一般社団法人 現代歌人協会」となりました。

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文学を負う錯覚も快美なる
九月の雨の街路を行けば

藤原龍一郎 『ジャダ』

「九月」というと思い浮かぶのは太田裕美の「九月の雨」。すこし舌足らずな可憐な歌声で「September rain」と英語を連呼していた。この強い印象のせいで、九月といえば何をおいても雨なのだが、九月の雨の短歌ならば掲歌がかっこいい。藤原の歌は漢文調の引き締まった韻律に特徴があるが、この歌もそう。文学を負うという錯覚、とはいうものの、この歌の主人公はまんざら錯覚でもない自負をもって酔いしれている。傘はさしていたろうか。いや、さしていてほしくない。文学の徒は雨にうたれながら抒情するのが似合う。福島泰樹にも「汝が窓の灯りも消えてわがバイク九月の雨にびしょ濡れならん」という歌がある。九月の雨は、様々なメロディーを聴かせてくれる。

斉藤光悦

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