現代歌人協会は、1956年に結成された歌人の職能団体です。2020年に法人化し、「一般社団法人 現代歌人協会」となりました。

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この雪はいつまで続く
空深くコントラバスの鈍き音する

福士りか 『大空のコントラバス』

福士さんは津軽の人。津軽といえば雪国のイメージを代表する地でもあり、一年のうち三か月から四か月は雪とともに暮らしている。この歌集のあとがきにも、「雪国の人間は雪を五感で受け止めます」と書いているが、雪は否応なく生活に密着している。掲出歌は、何日も降り続ける雪空を見上げながら五感を研ぎ澄ませていて、かすかにコントラバスの低く鈍い音を聴きとめている。幻聴というより、雪雲の孕む巨大なエネルギーを体感として受けとめているリアリティーがある。あるいは、福士さんには雪の歌に加えて白鳥の歌が多く、遙か上空を移動する白鳥の声の記憶かもしれない。「聞かざればさみしく聞けばなほさみし雪の暁わたる白鳥」(『サント・ネージュ』)。

桑原正紀

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