現代歌人協会は、1956年に結成された歌人の職能団体です。2020年に法人化し、「一般社団法人 現代歌人協会」となりました。

アクセス個人情報保護方針

〒170-0003 東京都豊島区駒込1-35-4-502
TEL:03-3942-1287 FAX:03-3942-1289
(平日10時〜16時)

二月の日天に夢見て
夢の数落ししと見る白梅の花

窪田空穂 『まひる野』

二十代の窪田空穂の歌。当時の空穂は、湯島天神のそばに住んでおり、高名な天神の梅を見ての作である。境内の白梅に託して、自らの夢が幾度も破れた悲しみを歌った。夢そのものではなく〈夢の数〉を落としたと抽象化し、それも自らの見立てであると告白することで、挫折による悲傷だけなく、人生に対する観想的態度を得たことを告げている。悲しい、さびしい、はかない歌だが、その調べからは清潔な落ち着きが感じられよう。東京専門学校(現早稲田大学)を中退し、養家を捨て、「明星」にも居着かず、後に同専門学校に復学・卒業し、キリスト教の洗礼を受け、と迷いの多い試行錯誤の青春であった。

坂井修一

写真:前田康子

What's New

会員エッセイ

(毎月更新)

トップページ現代歌人協会について声明書籍販売リンク集お問い合わせコンプライアンスアクセス

Copyright © 2021 The Kajins Association . All rights reserved.