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2021年10月の歌

ポストモダンといふは木犀の香りにて
何かさはやかに忘れしむるを

馬場あき子 『阿古父』

ポストモダンは近代からの脱却をめざした思想運動。日本では1980年代に盛り上がりを見せた。そんなポストモダンに、馬場あき子は(金木犀ではなく)木犀の香りを嗅ぐという。世はバブルの時代、消費文化のまっただ中にあった。爽やかな芳香に包まれるように、人々は近現代、特に戦中・戦後の苦悩や葛藤を忘れて、今ここにある豊かさを楽しんでいる。馬場はそんな世相に半ば同情しつつも強い留保を示す。自分の半生の結論はここにはないのだ。骨太の問い返しの中で、彫り深い痛みの記憶を取り返しつつ、静かに世相を見守るしかない。そんな思いをこめた一首。

坂井 修一

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